「普通かそうじゃないかなんて、考えることがそもそもおかしい」
辻村深月 かがみの孤城
自分という存在は唯一無二で特別なもの…というような事も巷で言われておりますが、だいたいどんな人も、同じようなものだし、並べてみたら経歴だってどんぐりの背比べ程度の差。
あまり外れないように「普通」に生きたり、逆に「普通なんて」とエキセントリックな自分を演じてみたり。
表現方法はそれぞれだけれど、普通か否かは何れにせよ大きなテーマ。
「普通は」と言うと普通って何?と絡まれることも多いですが、まぁ、普通は普通。
僕には鋭敏な感覚や類稀なるセンスなどというものはなく至って普通。
なのでお店の雰囲気とか、コーヒーの味わいとか、少しでも個性が出ていたら良いのですが、それも然程。
焙煎に関しても、とてもではないですが、感覚やセンスに頼って仕上げることなどできず。
大事にしているのは個性だし、自由な表現なのですが、それを示すために、最大限使えるものは使って。
気象データだったり、豆の水分値だったり、焙煎機が伝える温度や予測値なんかの各種の数字。データベースとして数字も残して。
焙煎も抽出も、可能な限り数字で標準値を決めての再現可能性とお客様や飲んでもらった人のフィードバックから因子を抽出してカテゴライズしてみたり。
KJ法や因子分析までは使わなくても、数的な情報と同時に質的情報も抽出してみたり。
場合によってはTDSやらBRIX、収率を計算したり…それでわかる訳でもないのですがね。
凡庸な人間は凡庸なりに出来ることを、出来るだけ真剣に行う。鈍臭いけれど。
普通じゃない、とんでもないセンスが欲しいです。
明日は14時から21時まで。鈍臭い店主がお待ちしております。
#unit_coffee_stand